記念に残るギフト

ギフトマンガ制作® 舞台裏ぜんぶ見せちゃいます!

「大切な人の大切な記念日が、贈った日がさらに記念日になる、世界に一つだけのプレゼントを贈りたい」そんな想いから、生まれたのがギフトマンガ®です。今回はなんとギフトマンガ®プロデューサーの私が、自分の母に向けて作ってみました。その舞台裏をぜ~んぶお見せします!!

ギフトマンガ®に込める思い

私の母は2019年3月に脳出血で倒れ、幸い一命はとりとめましたが下半身麻痺の介護5と認定され、そのまま車いす生活となり施設に入所しています。その後、コロナが猛威を振るう中、2020年11月に父が心筋梗塞であっという間に亡くなりました。

母が倒れるまで夫婦で飲食店を営んでおり、大きな病気をしたことも無く休みには夫婦で旅行を楽しんだりいる姿を見ていただけに、こんなに両親の介護や別れが早くくると思いませんでした。「後悔先に立たず」、「孝行したい時に親は無し」有名なことわざですが、本当にその通りだと思います。もっと一緒に旅行をしたり、親孝行をしたかったと後悔が残りました。

幸いな事に母は体が不自由になっても元気なので、父の分も親孝行をしたいと考えました。ですが、以前は誕生日や母の日に、お出かけや、おしゃれが好きだった母に服やかばんをプレゼントしたり、一緒に食事を楽しんだりしていましたが、要介護の身体では洋服にも制限があり、コロナ禍となった今では食事に行くこともできなくなりました。

塞ぎがちになる母に少しでも元気になってもらいたい、コロナ禍なかなか対面で会えないので、いつでも手元に置いて楽しんでもらえるギフトマンガ®をプレゼントしたい考えました。

step1 プランニングと見積り

ギフトマンガプロキューサーの私と妹で、どんなギフトマンガにするか計画しました。家族の写真を中心に、とくに孫の事を大変可愛がってくれていたので、孫のページを増やそう。デザインは、明るく、華やかなイメージにして、見るときに楽しい気持ちになってくれるようにしようと決めました。

step2 ヒアリング

大まかなプランが出来たら、具体的な内容を決めていきます。写真はどんなのにする?マンガのエピソードは、「どうしようか?」、ああでもないこうでもないと、今まで話したことも無かったような思い出話を姉妹ですることができました。
すると印象に残っている思い出は、姉妹で違っていることが分かりました。当たり前の事のようですが、話さないと分からないものです。

楽しい思い出ばかりではなく、恨み節まで出てきます。「いつもお姉ちゃんばっかりで気にされて、あまり気にかけてもらえなかった」、「お姉さんのくせにしっかりしなさいと私ばっかり怒られた」とか・・。今となってはいい思い出ですが、同じ時間を一緒に過ごしているはずなのに、それぞれの想いが違っています。改めて、姉妹の気持ちを再確認できるよい時間となりました。

step3 写真のピックアップ

「うわぁ、お母さんもお父さんも若いね!」、「こんな時代があったんやなぁ」と、両親の若い頃の写真をみると恐らく誰もがつぶやいてしまうセリフを2人で話しながら写真を選んでいきます。自分たちの幼い頃の写真を選ぶ時も、「この写真、あの時のやな」、「これ、写り悪いからパス!!」とか、何とか・・。時代が偏りすぎないように、母親が見て「あの時の写真」と色々な時代を思い出せるように、写真を選んでいきます。夫婦、子供が生まれ家族となり半世紀も過ぎ、ちょっとしたタイムトラベラーになったような気がします。

step4 想い出エピソードのマンガ

マンガのエピソードを考えるとき、色々な思い出を話しながら考えていきます。この写真があるからこの時代のエピソードを考えて、「できれば、家族全員が出てくる方がいいよね」とか、「お母さんにプレゼントするから、お母さんが主人公の話がいいよね。」、「え?これちょっといい話にしすぎちゃう??」とか、またしても話が膨らんでいきます。

①ストーリーを考える
マンガを制作することを前提としてストーリーを考えると、オチはどうしようとか、もっと面白いものと日常からどんどん離れたストーリーになりがちです。ですが、ギフトマンガでは、そんな大冒険とか九死に一生を得るような話はあえて不要と考えています。

家族を思い出すとき、皆さんは何を思い出しますか?確かに、家族旅行だったり、大きな困難を乗り越えた感動的なストーリもあるかもしれません。でも、意外と家族を両親を思い出すときは何気ない仕草だったり、日常の出来事ではないでしょうか?

お母さんのハンバーグは、いつも焦げていたな。とか、お父さんは、いつも寒いおやじギャグを言うよね。とか、旅行に行ったときに同じ風景をみて思わず同じ感想を言ってしまって、顔を見合わせて笑った事とか。
大冒険の必要はありません。その日常が、かけがえのない大切な家族の宝物となります。
思い出せるか心配する方もいるかもしれませんが、写真を見ているとそんな不安も消えていきます。その時代が鮮やかによみがえり、姉妹で思い出話に花がさきました。

姉妹でストーリーを決めた後は、マンガ家さんにエピソードと雰囲気をお伝えします。ざっくり、ざっくり、ざっくりと・・。こんな感じで、本当にマンガが書けるのかなと思いますが、そこはちゃんとマンガにしてくださいます。あと、マンガ家さんの発想力の邪魔もしたくないので、必要以上の情報はお伝えしません。
もちろんですが、必要な情報はお伝えしますし、マンガ家さんからも質問があります。

反対に、頭の中のイメージを伝える難しさも同時に味わうことになります。自分では当たり前の事伝わらなかったり、普通に、一般的に・・という、よく使うフレーズが一番誤解を招くという事が分かります。そうなんです、私の普通はマンガ家さんや第三者にとって普通では無いのです。ましてや、絵で表現するとなると小さな誤差を埋めていく作業となります。

②イメージから、ラフが仕上がってきました。毎回、自分の考えたストーリーがマンガで表現されてくるこの瞬間は本当に感動します。一度、そのことをマンガ家さんに伝えたら、マンガを描くことが日常なので感動したという事にびっくりされました。私にとって、マンガは誰か(主人公)のストーリーなので、自分の世界がマンガになるという事は本当にすごいことだと思いました。これは、マンガ好きな人にぜひ味わってほしい瞬間です。

③ラフの修正依頼を依頼します。具体的に変更箇所をお伝えし、内容を調整していきます。思い出のストーリーが再現されているかはもちろんの事、読み手として違和感が無いか確認をしていきます。ここでも、思い出を振り返り父の言いそうな言葉に変えてもらいました。微妙なニュアンスのくせや方言は、家族にしか分からないものですが、家族にさえ分かればいい・・。これがギフトマンガの醍醐味でもあります。

④修正を数回繰り返し、正式なラフが出来上がります。言葉にできない感覚をおおざっぱなイメージを伝えているのでやりにくい部分も多くあると思いますが、きちんとマンガにしてくださるので感謝しかありません。

⑤ラフに色や背景を付けて、さらに華やかに見やすいマンガになっていきます。家族が着ていた服の色、表情、髪の色なども自分たちのイメージに合わせていきます。そこにも家族の思い出にこだわりを持つことができます。

⑥家族も自然と巻き込まれていきます。「一度、孫からのエピソードも聞いた方がいいよね?」と最初は姉妹で考えていましたが、孫を含めた家族全員でストーリーを考えることになりました。甥っ子がエピソードを出し、妹が簡単な絵を描いてくれました。さすが、「サザエさん」を愛読する妹ならではのセンスです。

どれも捨てがたい母らしいエピソードなのですが、マンガ家さんに依頼するのは1本という事になり、家族ラインで総選挙が行われました。僅差で「ロシアンルーレット」が1位となり、マンガ家さんに依頼することにしました!

⑦思い出の細部にもこだわって作成しています。思い出は、人それぞれにこだわりのあるポイントがあります。私は、使ったであろうお皿の再現を依頼しました。そのお皿が家に無かったため、同じようなお皿を探すのに苦労しましたが、描いてもらえてすごく嬉しかったです。本当に自己満足で家族以外知りませんが、少しでもリアルに近づけたと大変満足しています。

自宅にあるお皿を再現してみました。(お皿は参考写真です)

step5 デザイン

時代のイメージに合わせて、デザインをしていきます。家族の歴史に合わせて、結婚式の写真はノスタルジーを感じさせるデザインにしてみました。


家族の思い出写真は、少し優しく、華やかなイメージに。

母の大好きな孫たちの写真は、元気にポップに仕上げてみました。

ページをめくるたびに、宝箱を開けるようなワクワク気分を作ります。

step6 ギフトマンガ®完成

コロナ禍の中ようやく対面することができ、直接渡すことができました。懐かしい写真を見るとその時の記憶がよみがえります。

完成版(ダイジェスト)